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大喜利料理ゲーム『ビストロ・フリップ』の制作裏話:第1回
文・写真:前田弘志(チームリーダー)
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おかげさまで「お気に入り!」とのお声を頂戴することも多く、今やバナナムーンゲームズの定番タイトルのひとつとなった『ビストロ・フリップ』。実は、予定していたリリース時期とコロナ禍がドンピシャで合ってしまうという波乱(不運?)のスタートだったのです。でも、それがかえって、世界のゲーマーやゲーム制作者たちとつながるきっかけになり、結果的により楽しい拡張版ができただけでなく、その後の『Bossa/坊茶』での海外展開にもつながっていく第一歩となりました。そんなこんな、私たちにとっても思い入れのある『ビストロ・フリップ』について、数回に分けてコラムを書いていきたいと思います。
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『ビストロ・フリップ』は、こうして生まれました
2019年秋、偶然にも北海道のバナナムーン・ステュディオとレアサイトゲームズが、東京ビッグサイトで開催された『ゲームマーケット』にそれぞれブースを出展していました。
北海道に戻り意気投合した両チームの代表・前田と斉藤は、料理をテーマとした新作を共同制作することにし、早速動き出します。まずはテレビ番組や映画のアーカイブ、日本各地の郷土料理や飲食店のメニューをリサーチすることから始めました。
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当初はちょっとマニアックな人向けのゲームを考えていたのですが、企画を進めていくうちに、もっと多くの人たちが楽しめるようなものを目指すことに方針転換。ルールはできる限りシンプルにして、日本語と英語のバイリンガル表記にすることにしました。カードは円形や楕円形、正方形に長方形など、さまざまな形を検討し試作。アートワークもさまざまなタッチを試作しました。
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何度もテストプレイを繰り返し、印刷の技術的なあれこれや、ベルの選定などをクリアし、初版の製造に入ったのが2020年2月初めのこと。その頃、クルーズ船のことは見聞きしていたけれども、コロナ禍がこんなにも大事になるとは想像できませんでした。今考えると、のんきだったなぁと思います。
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初版が完成するも『ゲームマーケット』は開催中止に
完成した『ビストロ・フリップ』の初版(日本版)は、2020年4月の『ゲームマーケット』でお披露目する予定でした。ところがパンデミックによりイベントは中止となってしまい、その計画は幻になってしまいました。(後に「通常版」として発売されることになるのですが)
でも、このゲームはきっとみなさんに笑いと楽しさをお届けできる! 私たちはそう信じ、外出自粛生活の中で、この楽しさを世界中のゲーマーのみなさんと共有できたら最高だなとポジティブに考えを切り替え、国際版(拡張版)の計画に動き出しました。
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国際版(拡張版)クラウドファンディングの予告動画
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世界のみなさん、本当にありがとうございます!
そこで助けてくれたのが世界27カ国・地域のボードゲーマーのみなさんでした。
どうせ外出できないならと、海外のゲーマーとのネットでのコミュニケーションに挑戦しました。BGG(Board Game Geek)フォーラムやFacebookグループでつながると、このゲームに興味を持ってもらえて、オンラインテストプレイを通じてたくさんのアイディアやフィードバックをいただきました。食材や料理について、アートワークについて、などなど。それらは、私たちの視野を広げてくれ、より良いゲームづくりに大いに役立ちました。
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Kickstarterでのクラウドファンディングで155%達成
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そして、米国Kickstarterでのクラウドファンディングに挑戦。初めてのことで、すべて手探り状態でしたが、製品化を実現するために多くの方が資金援助してくださり、『ビストロ・フリップ国際版(拡張版)』のリリースを実現することができたのです。みなさま、本当に本当にありがとうございました!
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日本国内は「通常版」と「拡張カードセット」が販売中
ビストロ・フリップ 拡張版(国際版)フルセット
現在国内では、オリジナルエディションの「通常版」と、Kickstarterで製品化された「拡張カードセット」がお求めいただけます。
「通常版」に「拡張カード」を足していただくことで、総カード数222枚のビストロ・フリップ拡張版(国際版)フルセットとなります。
- ゲーム詳細 → バナナムーンゲームズWebサイト
- お求めは → 公式オンラインショップ【送料無料】
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[Bistro FLIP コラム] 各話へのリンク
Vol.1:バナナムーンの定番ゲーム『ビストロ・フリップ』誕生秘話
Vol.2:か、かなりシュールな動画では!?
Vol.3:カード、カード、カード!