スタイリッシュな2人対戦ゲーム『Bossa / 坊茶』のお話:第5回
文・写真:前田弘志(Bossaチームリーダー)
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クラシック版は、ナチュラルな見た目と手触りに特徴があるBossa / 坊茶のバージョンです。今日は、私たちがクラシック版に込めた想いや、素材選びについて詳しくご紹介させていただきます。
私たち日本人の生活には「ハレ」と「ケ」という概念が息づいているのではないでしょうか「ハレ」は良い意味で「非日常」の特別な物・事を表しますね。例えば、結婚式や卒業式など特別な日に着る服装を「晴れ着」といい、それらのステージを「晴れの舞台」といいます。ですから、Bossa / 坊茶の匠のアート版は「ハレの坊茶」かもしれません。
一方で、「ケ」は「日常」の事柄を表します。日本では伝統的に、四季の自然に寄り添って暮らし、質素で控えめなことを「ケ」における美徳としてきました。日常生活を少しだけ彩るような、質素で控えめながらちょっぴり上級品質で、かつできるだけ自然な素材が感じられるBossa / 坊茶があったらいいな、と私たちは考えました。それがクラシック版のコンセプトなのです。
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やさしい手触りのペーパータイル
クラシック版のドットタイルはとても手触りがやさしい感じがします。これには2つの理由があります。ひとつはナチュラルな素材感とスムーズな手触りを持つ日本製の染色ペーパーを使用していること。もうひとつは紙の表面に地色の「印刷」やコーティング加工をしていないことです。タイルの表側の色も裏側の色も紙自体が染められた色。表面にインクやコーティングの層がないため、紙本来のテクスチュアに直接触れることができるのです。そして、箔押し&追加プレスされたドットはわずかにくぼんでいて、それも手に心地よい感触をもたらします。
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日本の職人による繊細な手仕事
クラシック版のタイルの断面を見ると、一般的な紙製タイルやチップにあるようなボール紙の芯がないことに気付くでしょう。これは表側のグレーの厚い紙と裏側の黒い厚い紙からなる2層構造なのです(厳密に言うと、それぞれの厚紙自体が多重層を持っているので、より多くの層で構成されていることになります)。それらは染色ペーパーですから、断面まで美しい色が表れています。
熟練した日本の職人がひとつひとつ手作りしている証拠をお見せしましょう。下の写真をご覧ください。タイルの表裏面と断面の間の角が、表側だけではなく裏側も尖っていないのが確認できます。一般的な機械生産では表側は丸みを帯び、裏側は尖るのです。当然、両サイドが丸みを帯びた職人によるハンドクラフトの方が手触りがやさくなります。
*クラシック版のタイルは、札幌市にある紙加工専門会社の七星産業でハンドメイドされています。
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自然素材による「呼吸」するタイル
自然な素材を使い、その自然な手触りを感じられるようにコーティング加工をしていないクラシック版のタイルは、まるで私たちと同じように空気を「呼吸」しているようです。よくよく見てみると、気温や湿度などのコンディションにより、わずかに反りが出ていることがあります。上の写真のように。ほんのわずかなものなので、気付かないかもしれませんし、ゲームに支障をきたすものでもありません。これも自然な素材の証拠だとご理解いただければうれしいです。
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開閉式の箱は、驚くほど精巧な紙製
クラシック版の箱は開閉式です。スムーズに開き、自然な感触で気持ちよく閉じ、ホールドします。けれど、この紙製の箱には金具もプラスティック部品も使われていません。これを実現したのは、日本の箱専門製作所の精巧な紙の加工技術です。“Vカット”という、加工の際にV字形の切り込みを入れる技術で正確な角度と面をつくり、強度と精密な「かみ合わせ」を実現しています。これは驚きです! 私たちも最初にこの技術を見た時には深く感動し、ぜひBossa / 坊茶の箱に採用したいと強く思いました。
*クラシック版の箱は、札幌市にある箱専門会社のモリタ株式会社(https://www.hakop.jp)で製作されています。
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環境へ配慮した素材選び
日常的に使うものは、できる限り自然な素材で安全性が高く、環境負荷の少ない素材で作りたいと、私たちは考えています。ですから、私たちは用紙の選択では、古紙配合、ECF(Elemental Chlorine Free) パルプ配合、そしてFSC(Forest Stewardship Council)の森林認証取得紙を優先的に選ぶようにしています。タイルや箱に使用する紙の貼り合わせには、接着強度を確保するため石油由来の原材料を用いた接着剤を「必要最低限」使用していますが、それらの製作工程では石油系溶剤不使用です。もちろん、安全性が確認され日本の法令や規制に基づき認められた材料だけを使用しています。開閉式の箱は丸ごと紙製で、金属やプラスティック部品は一切用いていません。
完璧ではないかもしれないけれど、今私たちができる最大限の環境への配慮と努力はこのクラシック版に込めたつもりです。
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読んでくださりありがとうございました。そして、私たちのプロジェクトへのご支援にも改めて感謝申し上げます。Bossa / 坊茶があなたのお気に入りになってくれたら、とてもうれしく思います。
前田弘志(Bossaチームリーダー)
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Bossa / 坊茶 コラム 各話へのリンク
- Vol.16:ペーパークラフトの匠、その繊細で芸術的な手仕事(2023年改稿版)
- Vol.15:なぜBossaは何度も繰り返し遊べて、飽きないのか
- Vol.14:Bossa / 坊茶をオンラインで試そう!
- Vol.13:お出かけBossa:スタンダード版の魅力(2023年改稿版)
- Vol.12:ナチュラルな風合いを日常に:クラシック ネオ版の魅力
- Vol.11:2023年、Bossa / 坊茶に拡張コンポーネントが登場!
- Vol.10:美しく遊ぶ贅沢な時間:匠のアート版の魅力
- Vol.09:雪のようにキラキラする箱のお話
- Vol.08:北海道の「雪景色」をデザインコンセプトに
- Vol.07:Bossaは何度も繰り返し遊べる、飽きない。
- Vol.06:お出かけBossa:スタンダード版の魅力
- Vol.05:ナチュラルテイスト:クラシック版の魅力
- Vol.04:「匠のアート版」の耐久性ってどうなの?
- Vol.03:「匠のアート版」は、箱だって匠のアート!
- Vol.02:匠のアート版 “水”と“花”、実は手触りが違う
- Vol.01:ペーパークラフトの匠、田所眞行さんのこと
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