始まりは3年前、これってスパムじゃないよね? [GACHIJO デザイナー日記 01]

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我知城/GACHIJO =4人の忍者と秘宝の城= のお話:第1回

文:前田弘志(GACHIJO チームリーダー)

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ようこそ『我知城/GACHIJO』の世界へ。
クリエイティブディレクター兼ゲームデザイナーの前田弘志です。この「デザイナー日記」では、クラウドファンディングを準備中の『我知城/GACHIJO』にまつわるあれこれについて、ルールブックには書かれていないゲームの裏側や背景のこと、キャラクターやアイテムの設定や日本の歴史との関わりなどを書いていこうと思っています。第1回目は、このゲーム開発の始まりのお話です。

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BGGでの出会い

3年前、突然BGG(BoardGameGeek/国際的なボードゲーム愛好者サイト)上のGeekメールで、マーティン・ネーデルガード・アンデルセン氏からコンタクトがありました。「えっ、これって、本人?」 私は彼の名前やいくつかの作品を知っていましたが、私たちは無名の日本のインディーズのチームでしたから、正直言って驚きました。
でも、ビデオチャットをしたりメールのやりとりをして、彼とは気が合いそうな感じがしました。ずいぶん後で知ったのですが、年齢もほぼ一緒でしたし。

マーティン(左)、前田(右)

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Mummy MazeからGACHIJOへ

細かい話は割愛しますが、彼の未発表作『Mummy Maze(ミイラの迷路)』をベースに、新たなゲームを共同制作することになりました。このゲームは、コマの下で迷路の壁が動く仕組みがとてもユニークで、私もそのアイディアがとても気に入りました。

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元のMummy Mazeはとてもシンプルなものでした(シンプルさは良い意味で、彼の良い持ち味だと思う)が、一緒にブレーンストーミングしているうちに、忍者が城の中でトレジャーハンティングするようにしたいね、と話が盛り上がり、方向性は決定! でも、そこからがめちゃくちゃ難産で、基本設計事項であるボードのマスの数や重ねる透明シートの枚数、壁の数(密度)の試行錯誤に2年もかかり、そこからテストプレイとルールの調整にも1年。最終的に下の写真のような形になるまで、3年もかかったのです。

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その間、私たちはBossaやPipoも開発しリリースしていますので、このゲームにかかり切りというわけではなかったのですが、それでも3年というのはかなり長い! それだけ作り込んだし、完成度には自信があります。

では、完成したGACHIJOってどんなゲームなのか?
それは次回、マーティンに語ってもらうことにしましょう。

読んでいただきありがとうございました。 次回をお楽しみに!

GACHIJO チームリーダー 前田弘志

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マーティン・ネーデルガード・アンデルセン(Camp Games Aps 代表)はデンマークのゲームデザイナーで、2007年に最初の作品が出版されました。以降、世界中でこれまでに250種類以上のゲームを発表、日本でも『Bandido(バンディド/すごろくや刊)』などが出版されています。ゲームデザイナーとしての活動と並行し、1年のうち4〜7ヶ月は世界を旅し、ライターや写真家としても活躍しています。

バナナムーン・ステュディオは、北海道を拠点とする1990年創業のクリエイティブ・プロダクションで、30年以上にわたりグラフィックデザインやエディトリアルデザイン、プロダクトデザインに携わってきました。「笑顔の時間を提供するゲームづくり」をテーマに、2019年からオリジナルボードゲームの制作・出版に取り組み、バナナムーンゲームズ(Banana Moon Games)のブランド名で、これまでに15タイトル以上(バリエーション版を含む)をリリースしています。「非言語依存」「戦略と運のバランスミックス」「コンポーネントの美しい」ゲームづくりを得意とし、2022年・2023年には『Bossa(坊茶)』の国際クラウドファンディングで2,401%達成、製品を40カ国に出荷しました。