スタイリッシュな2人対戦ゲーム『Bossa / 坊茶』のお話:第12回
文・写真:前田弘志(Bossaチームリーダー)
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(2023.9.14 改稿)
クラシック ネオ版(2023年10月1日リリース)とクラシック版(2022年リリース)は、ナチュラルな見た目と手触りに特徴があるBossa / 坊茶のバージョンです。それぞれに特徴がありますが、コンセプトは共通で兄弟のような関係です。今日は、私たちがクラシック ネオ版/クラシック版に込めた想いや、素材選びについて詳しくご紹介させていただきます。
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まずは、クラシック ネオ版とクラシック版の違いを簡単にご紹介しますね。
クラシック ネオは2023年の新エディションで、2022年発売のクラシックをベースに、雪景色をイメージしたデザインになっています。ドットタイルは1層追加されて3層構造に、箱の素材も雪のようにキラキラするものに変更されています。そして、拡張コンポーネントが追加されています。その他はクラシック版と同じです。
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クラシックシリーズのコンセプト
私たち日本人の生活には「ハレ」と「ケ」という概念が息づいているのではないでしょうか「ハレ」は良い意味で「非日常」の特別な物・事を表しますね。例えば、結婚式や卒業式など特別な日に着る服装を「晴れ着」といい、それらのステージを「晴れの舞台」といいます。ですから、Bossa / 坊茶の匠のアート版は「ハレの坊茶」かもしれません。
一方で、「ケ」は「日常」の事柄を表します。日本では伝統的に、四季の自然に寄り添って暮らし、質素で控えめなことを「ケ」における美徳としてきました。日常生活を少しだけ彩るような、質素で控えめながらちょっぴり上級品質で、かつできるだけ自然な素材が感じられるBossa / 坊茶があったらいいな、と私たちは考えました。それがクラシック版のコンセプトなのです。
たとえば、外からの光と影が気持ちいい窓辺の部屋でBossaをプレイする。素敵な時間だと思いませんか?
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葉がそよ風に揺られてBossaの上に光と影を落とす素敵な時間
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やさしい手触りのペーパータイル
クラシックシリーズのドットタイルはとても手触りがやさしい感じがします。これには2つの理由があります。
ひとつはナチュラルな素材感とスムーズな手触りを持つ染色ペーパーを使用していること。もうひとつは紙の表面に地色の「印刷」や「コーティング」加工をしていないことです。タイルの表側の色も裏側の色も紙自体が染められた色。表面にインクやコーティングの層がないため、紙本来のテクスチュアに直接触れることができるのです。そして、箔押し&追加プレスされたドットはわずかにくぼんでいて、それも手に心地よい感触をもたらします。
ドットタイルの表面と裏面は、クラシック ネオ、クラシックともに同じものを使っているため、見た目も手触りも同じです。
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クラシック ネオ(左)とクラシック(右)のドットタイルの表側。同じ素材、同じ見た目です。
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異なる表情の断面
クラシック ネオとクラシックの違いが良くわかるのが、断面です。
クラシック版のタイルの断面を見ると、一般的な紙製タイルやチップにあるようなボール紙の芯がないことに気付くでしょう。これは表側のグレーの厚い紙と裏側の黒い厚い紙からなる2層構造なのです(厳密には各色2枚ずつなので合計4層)。それらは染色ペーパーですから、断面まで美しい色が表れています。グレーと黒のシンプルで落ち着いた美しさがクラシックの特徴と言えるでしょう。
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2層構造のクラシック版ドットタイル
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一方、クラシック ネオのドットタイルは、中心にもうひとつの層があり、3層構造になっています(厳密には、表側のグレーの紙が2枚、裏側の黒が2枚、中心の白が1枚なので合計5層)。使用する紙の厚さを変えることで、全体としてクラシックとほぼ同じ厚さ(重さも)になるように調整しています。
中心の白い紙は、真っ白ではなく、少し暖色系の白が選択されています。これは、グレーと黒に挟まれたときに、とてもマッチして良いアクセントになるのと、後述する視覚的デザイン意図も込められています。
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3層構造のクラシック ネオ版ドットタイル
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日本の職人による繊細な手仕事
クラシックシリーズのドットタイルは、日本の熟練した職人たちが、ひとつひとつ手作りしています。
その証拠をお見せしましょう。下の写真をご覧ください。タイルの表裏面と断面の間の角が、表側だけではなく裏側も尖っていないのが確認できます。一般的な機械生産では表側は丸みを帯び、裏側は尖るのです。当然、両サイドが丸みを帯びた職人によるハンドクラフトの方が手触りがやさくなります。
*クラシック版のタイルは、札幌市にある紙加工専門会社の七星産業でハンドメイドされています。
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クラシック ネオ版ドットタイルの側面部分拡大
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自然素材による「呼吸」するタイル
自然な素材を使い、その自然な手触りを感じられるようにコーティング加工をしていないクラシック版のタイルは、まるで私たちと同じように空気を「呼吸」しているようです。よくよく見てみると、気温や湿度などのコンディションにより、わずかに反りが出ていることがあります。下の写真のように。ほんのわずかなものなので、気付かないかもしれませんし、ゲームに支障をきたすものでもありません。これも自然な素材の証拠だとご理解いただければうれしいです。
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クラシック版ドットタイルの断面クローズアップ
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開閉式の箱は、驚くほど精巧な紙製
クラシック版の箱は開閉式です。スムーズに開き、自然な感触で気持ちよく閉じ、ホールドします。けれど、この紙製の箱には金具もプラスティック部品も使われていません。これを実現したのは、日本の箱専門製作所の精巧な紙の加工技術です。“Vカット”という、加工の際にV字形の切り込みを入れる技術で正確な角度と面をつくり、強度と精密な「かみ合わせ」を実現しています。これは驚きです! 私たちも最初にこの技術を見た時に深く感動し、クラシックに採用すること決めました。クラシック ネオでも引き続き同じ構造の箱を採用しています。
*クラシック ネオ版/クラシック版の箱は、札幌市にある箱専門会社のモリタ株式会社(https://www.hakop.jp)で製作されています。
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クラシック版の箱のクローズアップ。クラシック ネオ版は同じ構造で表面の素材が異なる。
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雪の夜の町の風景
Bossaの2023年の2つのエディションのデザインテーマは、「雪景色」(→詳しくはBossaコラム Vol.8とVol.9で)。クラシック ネオでは、雪の夜の町を雰囲気をイメージしました。
箱を開けると、黒いけれどもキラキラする夜の雪の中(箱の中)に、家々あるいはビル群(タイル)が半分埋まっています。タイル断面のストライプは、まるで窓明かり。家族や人の優しさや温もりが伝わってくるようです。クラシック ネオの箱の中は、そんな「小宇宙」なのです。
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クラシック ネオ版のパッケージング
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アクションマーカーと拡張チップ
クラシックシリーズのアクションマーカーは、赤い染色紙を使い、アイコンは銀色の箔押し、職人によるハンドメイドです。ドットタイルと区別しやすいよう、薄くなっています。
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クラシック ネオ版/クラシック版アクションマーカー
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クラシック ネオ版に付属する拡張チップは、表面がオレンジ、裏面がチャコールグレーの2層構造で、アイコンは銀色の箔押しです。
※現行クラシック版には拡張チップは付属しません。別途、2023年10月1日発売の「Bossa 拡張キット」をお求めください。
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2種の拡張チップ「ダブラー」と「インバーター」
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環境へ配慮した素材選び
日常的に使うものは、できる限り自然な素材で安全性が高く、環境負荷の少ない素材で作りたいと、私たちは考えています。ですから、私たちは用紙の選択では、古紙配合、ECF(Elemental Chlorine Free) パルプ配合、そしてFSC(Forest Stewardship Council)の森林認証取得紙を優先的に選ぶようにしています。タイルや箱に使用する紙の貼り合わせには、接着強度を確保するため石油由来の原材料を用いた接着剤を「必要最低限」使用していますが、それらの製作工程では石油系溶剤不使用です。もちろん、安全性が確認され日本の法令や規制に基づき認められた材料だけを使用しています。開閉式の箱は丸ごと紙製で、金属やプラスティック部品は一切用いていません。
完璧ではないかもしれないけれど、今私たちができる最大限の環境への配慮と努力はこのクラシックシリーズに込めたつもりです。
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今回も読んでくださりありがとうございました。そして、私たちのプロジェクトへのご支援にも改めて感謝申し上げます。Bossa クラシック ネオ/クラシックがあなたのお気に入りになってくれたら、とてもうれしく思います。
前田弘志(Bossaチームリーダー)
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Bossa / 坊茶 2023年の新バージョン
「クラシック ネオ版」は公式ショップ限定発売!
お求めは → こちら(https://bananamoon.official.ec)
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Bossa / 坊茶 コラム 各話へのリンク
- Vol.16:ペーパークラフトの匠、その繊細で芸術的な手仕事(2023年改稿版)
- Vol.15:なぜBossaは何度も繰り返し遊べて、飽きないのか
- Vol.14:Bossa / 坊茶をオンラインで試そう!
- Vol.13:お出かけBossa:スタンダード版の魅力(2023年改稿版)
- Vol.12:ナチュラルな風合いを日常に:クラシック ネオ版の魅力
- Vol.11:2023年、Bossa / 坊茶に拡張コンポーネントが登場!
- Vol.10:美しく遊ぶ贅沢な時間:匠のアート版の魅力
- Vol.09:雪のようにキラキラする箱のお話
- Vol.08:北海道の「雪景色」をデザインコンセプトに
- Vol.07:Bossaは何度も繰り返し遊べる、飽きない。
- Vol.06:お出かけBossa:スタンダード版の魅力
- Vol.05:ナチュラルテイスト:クラシック版の魅力
- Vol.04:「匠のアート版」の耐久性ってどうなの?
- Vol.03:「匠のアート版」は、箱だって匠のアート!
- Vol.02:匠のアート版 “水”と“花”、実は手触りが違う
- Vol.01:ペーパークラフトの匠、田所眞行さんのこと
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